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パワハラやセクハラを早期に解決し紛争を防止するには?

パワハラやセクハラの被害は時間が経つほど悪化する

会社でパワハラ・セクハラ等のハラスメント被害が発生した場合,様々な面で,時間が経過するほど事態が悪化していきます。

被害者である社員にとっては,パワハラやセクハラにさらされる機会が増えていくことになり,うつ病等の精神疾患に罹患してしまったり,最悪の場合には自殺というおそれもあります。そして,被害者がこのような損害を被ると,これはそのまま会社に賠償請求というかたちで跳ね返り,裁判等の紛争に発展してしまいます。

また,パワハラ等が発生している職場においては,当事者以外の社員も士気が低下し,生産性が落ちるのが通常です。そのため,時間が経過するほど,会社の業績に及ぼす悪影響も大きくなります。  

つまり,パワハラやセクハラの被害が発生しないのがベストですが,発生してしまった場合には,これをいち早く認知し,適切な対応をすることが早期解決のために肝要といえます。

パワハラやセクハラの被害を認知したらどのように対応するか

パワハラやセクハラの被害を認知した場合の対応としては,概ね,①事実関係の確認・証拠の収集→②ハラスメント行為の有無・内容の認定→③被害者・加害者に対する措置というプロセスを経ることになります。このプロセスを十全に機能させることにより,パワハラやセクハラの問題を裁判等の紛争に発展させることなく,早期に解決することができます。各プロセスについて気をつけるべきことは次のとおりです。

①パワハラ・セクハラの事実関係の確認・証拠の収集について

各関係者から個別に事実関係を聴取し,その結果を記録する他,関連する証拠(録音データ,メール・SNS,日記・メモ等)を収集します。

 事情聴取に際しては,対象者毎に異なる配慮が必要となります。すなわち,被害者側については,萎縮して正確な回答ができなくならないよう,質問の仕方等に気をつける必要があります。特にセクハラの事案では,被害者と同性の担当者を同席させることが有効であり,また,プライバシーにも十分配慮する必要があります。

加害者側についても,十分に反論の機会を与えた上で,必要な弁明をさせる必要があります。頭ごなしにパワハラやセクハラ行為をしたものとして非難することは,それ自体がパワハラであると逆に訴えられるおそれもあります。

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②パワハラ・セクハラ行為の有無・内容の認定について

①で聴取した双方の主張と,収集した各証拠を総合して,被害者,加害者のいずれの主張が信用できるか,という観点から,パワハラやセクハラ行為があったかどうか,あったとして,それが具体的にどのようなものであったか,という事実認定をします。

また,事実だけでなく,それがハラスメントに当たるか,という評価も必要となります。特にパワハラの事案では,通常の業務上の指導や注意との線引きが難しいことも少なくないため,慎重な判断が求められます。   

この事実認定は,被害者・加害者いずれにも理解が得られるよう,中立・公正な判断により行われなければなりません。特に,主張が認められなかった当事者をどのようにケアするかは,事案に応じて大変難しい問題となります。このような当事者が後に裁判を起こす等,新たな紛争の原因となることは避けたいところですが,万が一裁判となってしまっても,裁判を有利に闘うため,会社として適切な対処をしたということは証拠として残しておく必要があります。

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③加害者・被害者に対する措置について

加害者に対しては,懲戒処分をするかどうかを検討することになりますが,どのような種類の処分を選択するかについては,認定したパワハラやセクハラ行為の態様や,被害の程度等の諸般の事情を考慮した上で,バランスのとれた処分とする必要があります。特に,解雇を伴う処分をする場合には,その有効性を争われて会社が訴えられることもありますので注意が必要です。

被害者については,就労が困難であれば,休職を検討することになります。そうでない場合でも,体調等が万全でないようであれば,状況に応じてより負担の少ない業務を担当させたりする等の配慮をすべきといえるでしょう。その一環として,加害者が会社に留まる場合には,配置換えをして,業務上接触が生じないようにすることも検討すべきといえます。

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専門家の関与

パワハラやセクハラの問題への対応に際しては,中立性を担保し,聴取内容を適正に記録化することが求められます。そのためには,社内の人事担当者等だけでなく,弁護士等の外部の専門家も調査チームに加えることが望ましいといえます。

特に,被害感情が激しく,紛争になるおそれが大きいケースでは,後に裁判となった場合も見据えて調査を進め,調査結果を証拠化する必要がありますが,これには専門的な知識が必要となりますので,ぜひとも弁護士を関与させたいところです。

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